淡路の材木店が兵庫県内の工業高に実習木材を寄贈 

大工育成を支援「立派な職人になって」

大工職人の育成を支援しようと、兵庫県・淡路島の材木店が、県内の建築科がある公立工業高校へ、授業や実習で使う木材を寄贈した。「技術を磨いた生徒たちが立派な職人になってほしい」と期待する。(内田世紀)

 淡路市久留麻の来田材木店。同社によると、建築業界は大工の高齢化や若者の仕事離れで人手不足が深刻化。分業化された大手ハウスメーカーの台頭により、拍車が掛かっているという。来田国広社長(51)が「何かできることは」と思案。在庫の木材を人材育成に役立てることにした。

県教育委員会を通じ、工業高校に打診したところ、建築科のある全7校への寄贈が決まった。ウクライナ問題などによる木材価格の高騰「ウッドショック」もあり、多くの高校が歓迎した。

 今月16日、社員の土井章史さん(49)が加古川市の東播工業高校を訪れ、ヒノキやスギなど1トントラックいっぱいの角材を運び込んだ。受け取ったのは、部活動「建築研究部」の部員約10人。大工志望という3年の石井滉志郎部長(17)は、「ものづくりコンテストのために木の継ぎ方などを練習している。貴重な木材をもらえてうれしい」と感謝していた。

 同校を通じて他の高校にも届く予定といい、来田社長は「将来ある若者とつながりができてうれしい。同業者が参考にしてもらえたらありがたい」と話している。

2022/7/24 05:30神戸新聞NEXT

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